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宇宙のエントロピー問題
宇宙のエントロピー問題

 ビッグクランチとビッグクランチが繰り返しているという説で、なぜ30回から50回起きたといえるのでしょうか。

その論拠は、温度にはプランク温度またはハゲドン温度と呼ばれる上限があるという超ひも理論から導かれる事実と、ビッグバンが始まるまでに宇宙が生成している膨大なエントロピーをどこから稼いできたかという疑問に発しています。

 エントロピーというのは、系がどれくらい熱的に乱雑な状態にあるかを表す量ですが、大まかにいって、どれくらいの熱エネルギーをもっているかを表していると思ってもかまいません。

現在の私たちの宇宙からさかのぼって逆算してみると、宇宙の温度がプランク温度であったとき、すなわちビッグバン直前の宇宙は半径が1ミリないしは1メートルほどもあり、素朴に予想されるプランク長さよりも30桁以上も大きいことがわかります。

エントロピーは体積に比例しますから、これは宇宙初期のエントロピーが素朴な予想の10^30の3乗倍、つまり90桁以上も大きいということを意味します。

 これを説明する有力な理論として、もちろんインフレーション理論があるわけですが、素粒子物理学の見地からいうと、必ずしも自然なものとはいえないのです。その理由はインフレーションを引き起こす場、すなわちインフラトンがかなり不自然な性質をもっていると仮定しなければ、インフレーションのシナリオがうまくいかないことです。

そこでインフレーション理論はいったん忘れて、新しい見解を述べます。



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